入社後の活躍に向け、「社内の味方」を増やすメンター制度
製品開発部 プロダクト開発グループ/G.K
ソリューションコンサルティング部 テクニカルサービスグループ/S.T
G.K/地元新潟県のSIerにて、エンバーポイントのプロダクト開発に携わる。エンジニア個人の成果を認めるエンバーポイントの姿勢に共感し、プロジェクト完了後の2012年4月に正社員として入社。ソリューションコンサルティング部を経て、2022年5月より製品開発部で活躍中。
S.T/ソフトウェア開発会社を3社経験し、開発からテスト、運用保守まで幅広く経験。社内に若手が多く指導側に回っていたことから、経験豊富なエンジニアのもとで自身も学べる環境を目指し、2025年3月にエンバーポイントへ入社。現在はマーケティングオートメーションツール(MA)『Engage Cros』の導入サポートに従事。
制度をベースに作る、二人らしいセッション
世界的なビジネスの成功者たちが活用し、日本企業でも多くの企業が導入している「メンター制度」。エンバーポイントでも同制度を活用して、入社して間もないメンバーが早期に活躍できるよう支援しています。今回は、最近この制度を経験した一組のメンター・メンティーにインタビュー。メンター制度の特徴や、メンター制度で得られた変化や成長について聞きました。
――まず、エンバーポイントのメンター制度はどのようなものですか?
G.K(メンター) 大まかな構造は一般的なメンター制度と変わりません。直接的な業務の指導ではなく、メンティー(支援を受ける側)が仕事やキャリア形成に向き合うための姿勢・マインドを、メンター(支援する側)がフォローしていく仕組みです。利害関係を生まないように、異なる部署やグループのメンバーが組むところも同様ですね。その上で、メンターとメンティーで二人らしいプログラムを作り上げていけるような制度になっています。
――KさんとTさんの場合は、どんなセッションが行われたのでしょうか?
S.T(メンティー) 初回のセッションでは、自分たちのセッションの方向性と進め方を二人で話し合いました。まず決めたのは、「自社プロダクトについて学ぶ時間も取り入れること」です。またセッション数は、本来「30分×隔週1回」のところ、「30分×週2回」という高い頻度に設定しました。座学の時間を取るため、そしてお互いをよく知るために、より多くの時間を設けたいと考えたからです。
G.K 座学は、私たちのセッションをより充実させるための工夫の一つでした。本来メンター制度は、仕事の姿勢やマインドをフォローする場です。しかし入社して間もないTさんは、まだ業務を始めたばかりでした。それならば序盤から仕事の悩みを聞くよりも、まず製品知識をキャッチアップする方が良いのではないかと話し合いました。私は以前、Tさんのいるソリューションコンサルティング部に在籍していたこともあるため、当時の知識も役に立つのではないか、とも思ったんです。
――Tさんはメンター制度に参加すると聞いたとき、どのようなお気持ちでしたか?
S.T 正直なところ、最初は「何をすればいいんだろう……」という思いでした。これまでの会社にはメンター制度がなく、OJTとも違うこの仕組みにどんな姿勢で臨めば良いか分からなくて。そもそも異なる部署のKさんとは面識がなく、その点にも戸惑いましたね。そのためセッション前は、同じ部署でKさんを知る人に「Kさんってどんな人ですか?」と情報収集しました(笑)。みんなから「面倒見が良くて優しい」と聞き、安心したのを覚えています。
G.K そうだったんですね!実を言うと私も、「Tさんってどんな人?」と、テクニカルサービスグループなどの知り合いに聞いていました(笑)。お互い探り合っていたんですね。この事前調査でTさんが気さくな人だと分かり、あまり気を遣う必要もないなと考えました。そのため、初回セッションではアイスブレイクすることなく、開始早々に本題から入りました。
目指したゴールは、「メンティーの味方になること」
――「30分×週2回」という高頻度なセッションですが、2回目以降はどのように進めたのですか?
G.K 二人で決めたように、開始20分ほどは製品知識を得るための座学を行いました。残りの10分はフリートークでお互いを深く知る時間に活用しました。こうして3ヶ月のうち前半1ヶ月半ほどは座学を続けましたね。
S.T 後半戦の1ヶ月半は、実際にお客様対応が始まり、私が壁にぶつかり始める時期でもありましたので、仕事での相談をメインに進めるようになりました。
――Kさんがメンターとして心がけたことを教えてください。
G.K 「Tさんの味方になろう」という一心で向き合いましたね。当社では現在、リモートワークが盛んです。リモートワークは一人ひとりがワークライフバランスを保ちやすい一方で、毎日全員がオフィスに通っていた頃と比べると、どうしてもメンバーとの接点は減ります。入社間もない頃であれば、なおさら気を遣ってしまうかもしれません。そのためTさんにとっての「気軽に話せる“誰か”」に、私がなろうと考えました。
――「味方になろう」と決めた上で、セッションではどう接しましたか?
G.K Tさんにたくさん話してもらうように意識しました。普段私は、どちらかと言えば自分から積極的に話すタイプです。しかしセッションでは、主役であるTさんが話しやすい雰囲気を作り、またその中でTさんの内面も理解しようと努めました。
――Tさんは、セッションを通じて何か変化を感じましたか?
S.T たくさんありますが、やはり「何でも相談できる人がいる」と安心して仕事できるようになったのは大きな変化です。部署内の先輩も経験豊富で良い人ばかりですが、入社直後で何にも自信のない私は「こんなことを聞いていいのかな……」と躊躇していたんです。そんなとき、他部署に頼れる存在がいることはありがたく感じました。Kさんは製品知識も豊かで、頼りやすいムードも作ってくれて。分からないことをクリアにでき、おかげで仕事もスムーズに進んだように思います。
――当初目指していた通り、KさんはTさんの味方になれたんですね。
G.K 嬉しいですね。しかしもちろん全面的に頼るのでなく、自主性ありきで成長できるように支援しました。例えば、分からないことがあればまず自分で調べた上で、答え合わせする感覚で確認してもらったり。その結果、知識を自分のものとして定着できているのではないでしょうか。
S.T 私はマーケティングオートメーションツール(MA)『Engage Cros』の導入をサポートしています。お客様からのご相談にお答えする私自身も『Engage Cros』の操作方法や裏側の仕組みを把握している必要があります。その点で、社内には自社プロダクトをメンバーも使用できるテスト環境が用意されています。こういった環境も駆使して「まず自分で調べてみよう」と意識してキャッチアップを続けました。
――Kさんは、メンターを務める上で課題に感じたことはありますか?
G.K 先ほどのTさんの製品知識の話にリンクしますが、私も教える中で、「お客様目線で製品を見ると、意外と理解できていない要素があるな」と気づきました。そのためTさんに質問された内容に自信がない場合は、Tさんと一緒に調べて学んでいきましたね。
S.T そうそう。「分からない」で終わらせず、Kさんも一緒に調べてくれたのを覚えています!
G.K こちらは、自分自身の課題でもあります。一方で今後は、社内でも資料共有などでナレッジを蓄積すべきかもしれません。そうすれば、メンター制度をブラッシュアップできることはもちろん、自分の仕事にも新たな視点を持って臨めそうです。
メンター制度が終わっても、ずっと続く二人の関係
――メンター期間中の、印象に残っていることがあれば教えてください。
S.T セッションや相談の場面ではなく、実際の業務でKさんに助けてもらったことがあります。あるときイレギュラー業務が舞い込んできたのですが、製品開発部のメンバーにも力を借りなければならないものでした。本来であれば双方の部長を介してヘルプを求めるべきですが、私はいち早くKさんに連絡したんです。Kさんは快く応じてくれて、スピーディに解決することができました。メンター制度で信頼関係を築けたからこその出来事だったなと思います。
G.K そんなこともありましたね。私は、フリートーク中に二人の共通の趣味で盛り上がれたことが思い出に残っています。偶然ですが、二人ともゲームと漫画が大好きなんです。好みのジャンルは少し違いましたが、Tさんの好みを聞いておすすめの作品を教えることもありました。
S.T 仕事の後、Kさんおすすめのゲームを一緒にプレイすることもありましたね! それから、実はこのインタビューの後も、一緒に食事へ行く予定なんですよ。
――メンター期間が終了しても続く関係、とても素敵です! そんなお二人は、今後メンティーとして支援を受ける人へどのようなアドバイスをしますか?
S.T 「まずは主役となるメンティーが心を開いてほしい」と伝えたいですね。こちらがオープンマインドになったからこそ、早い段階でお互いの信頼関係も築けたのではないでしょうか。
G.K そうですね。メンティーであるTさんが受け身にならず、積極的に私と向き合ってくれた結果、このような良い形でメンター制度を終えられたと感じます。
――Kさんは、メンターとなる人にはどのようなアドバイスをしますか?
G.K やはり「他部門に味方を作れる」という点は、メンター制度の重要な目的であり、最大のベネフィットだと思います。メンターはこの目的をしっかりと念頭に置き、「メンティーの味方を作るには何をすれば良いか」と考えると、自分らしいアプローチ方法が見つかるかもしれません。
――改めて、メンター制度を実施して良かったと思いますか?
S.T はい。メンターは、上司や先輩とは別の立場で支えになってくれる存在です。入社したばかりの頃は、誰しも不安でいっぱいです。そんなとき、異なるフィールドにいて心置きなく頼れるTさんのおかげで、成長スピードは格段に上がりました。また、先輩としての姿勢も変わりました。最近後輩ができ、Kさんが私にしてくれたように、自分も後輩を優しくサポートしようという気持ちで接しています。
G.K Tさんの力になれたようで何よりです。でもせっかくの機会なので、メンターとして新たなアドバイスをしたいです。Tさん、今後はぜひ社内の各部門に一人ずつ味方を作ってください! 今後の活躍を、さらに力強く後押ししてくれると思います。