運用からインフラまで、幅広い経験を積みながらその過程で理想のキャリア像を描く
サイトリライアビリティエンジニアリング部(以下、SRE部)/T.M、T.I
T.M/SES企業を2社経験し、ネットワークエンジニアとして活躍。2014年にエンバーポイントの前身の企業へ入社。以後短いスパンで昇格を重ね、2016年にSRE部の部長へ。2024年11月、社内史上最年少で執行役員へ就任。2025年からはマーケティング総合支援サービス部部長も兼任する。
T.I/5年にわたってネットワークやLinux、仮想環境などの開発技術を身につけたあと、エンバーポイントの前身の企業へ入社。一度退職して金融系サービスのインフラエンジニアとして活躍。2022年に再びエンバーポイントへ入社し、同時にサービス運用グループのマネージャーへ就任。
運用からインフラ構築まで、ローンチ後の全てのフェーズに携わる
――SRE部というと、一般的にはシステムの安定稼働や効率化に向けた業務を行う部署ですが、エンバーポイントではどのような立ち位置でしょうか?
T.M まず、当社の技術部隊は二つに分かれています。一つ目はプロダクトのアプリケーションを開発する製品開発部、そして、それ以外の技術領域の全てを担うのが我々SRE部です。SRE部は当社の看板プロダクトであるメール配信システム『Mai_Publisher』に関して、システムの運用からインフラの構築まで担当しています。「メールが上手く配信できない」といったお困りごとの調査の他、サーバーやストレージ、データセンターといった基盤の管理まで行います。
T.I SRE部のグループは三つに分かれています。インフラグループ、調査やルーティン、自動化・トイル削減など を担当するグループ、そして私が所属するサービス運用グループでは、必要に応じたアドホックな対応がメインです。例えば最近は、バックアップ関連のプロジェクトと、OSなどを刷新するプロジェクトを同時進行で取り組んでいます。
――最年少で執行役員へ就任したMさん。エンバーポイントへ入社した経緯を教えてください。
T.M 自社サービスを持つ企業で経験を積みたいと考えたからです。私はSES企業を2社経験したんですが、案件の常駐先で踏み込める範囲に限界を感じていました。また常駐先でどんなに高く評価されても、自社内の評価に繋がることは少なくて。一方当社では、自社プロダクトをより良い製品にするための業務に、手広く携わることができます。この環境でひたすら学び、プロダクトも自分も成長させたいと考えました。そのため運用からインフラ構築まで一気通貫で携われることを期待して入社したわけですが、そんな私も入社当初は「本当にできるんだ」と驚いたことを覚えています。
――Iさんは一度エンバーポイントを退職して他社を経験していますね。その後復帰したのはなぜでしょうか?
T.I 私は「現状維持ではなく、もっともっと技術を磨きたい」という思いでキャリアを模索し、一度は当社を離れました。しかし社内の組織体制が変わるタイミングで、 今後は大きな裁量を任せてもらいながらマネージャーにも就けると聞き、「もう一度ここで挑戦しよう」と再入社を決めました。
――MさんはIさんが不在の2~3年、I さんの管轄していたチームのマネジメントも兼務したのだとか。
T.M はい。I さんがとりまとめていたチームを管轄することになりました。改めて、Iさんは本当に優秀なエンジニアだったんだと実感しましたね。圧倒的に技術力が高いのはもちろん、協力会社のメンバーとも非常に良好な関係を築き、チームを円滑に動かしていたんです。そのため、Iさんが戻ってきたときはホッとしました。現在も 、安心してマネージャーを任せられます。
T.I 嬉しいですね。私も、Mさんを尊敬しています。物事を俯瞰して判断する姿勢があり、プロジェクトやチームのことを話し合う際、「その視点は私にはなかった」と驚くことが多々あります。

オンプレミスとクラウド、両方を経験してこそ得られる知見がある
――クラウドが主流になりつつある現在、エンバーポイントはオンプレ中心の環境です。オンプレのメリットはどのような点にありますか?
T.M 自社で全てを手がけるオンプレには、二つのメリットがあります。まずはシステム構築の可能性が広がること。ある程度作り方が定まっているクラウドと比べ、オンプレは技術者が ゼロから考えながら自由度高く構築できます。もう一つは、不具合にも柔軟かつ的確に対応できること。システム全体の構造を把握できるため、原因や解決策を切り分けて突き止められるんです。お客様からご相談を受けたときも、スピーディに根本から解決したり、納得いただけるよう説明したりと、お客様の満足度に繋げることができています。
T.I そういったメリットから、オンプレ中心の環境では、エンジニアとしての技術力も磨けます。クラウドでの構築はブラックボックス化された部分が多いことから、「何がどう動いているか」をあまり意識せずに業務を進めることになります。一方、自分たちで組み立てるオンプレでは、システムの仕組みをしっかりと知ることができます。オンプレに触れることでインフラの基礎的な要素も理解できるため、将来的にはクラウドをやりたい方も、オンプレを経験しておくことでエンジニアとしての”厚み”が出ると思います。
――システムの細部や根本を理解できるオンプレですが、苦労も多いのではないでしょうか?
T.M そうですね。SRE部では一つのオンプレ環境を二つに分けたり、データセンターを移行したりという大きなプロジェクトも多数実施し、その中でいくつもの壁にぶつかりました。しかしこうした経験を積み重ねたことが、現在の自信に繋がっています。大規模な改修も胸を張って取り組めますし、ボトルネックやリスクを回避するための勘所も掴めるようになりました。
――今後もエンバーポイントでは、オンプレミス中心の構築が続いていくのでしょうか?
T.I そうとも限りません。オンプレとクラウドをどう使い分けていくかは、今後も議論していく方針です。
T.M よく「オンプレvsクラウド」という議論が起きますが、実際のところは優劣で語れるものではありません。扱う事業やアプリケーションの特性の他、QCD(品質・コスト・納期)なども掛け合わせ、どちらの環境がふさわしいかを総合的に判断します。しかし、おそらくこの判断を正しくできるのは、オンプレとクラウド両方を経験した人ではないでしょうか。
―― 月間配信通数85億通を誇る『Mail Publisher』(2025年8月時点)。この膨大な流通量でも安定稼働できる理由は?
T.M アプリはもちろんインフラも、これだけの流通量を見越して入念に構築したからだと思います。長年にわたって懸念点を洗い出したり、根本的な構造を見直したりと試行錯誤した末に、現在の安定性を保てていると自負しています。
T.I Mさんの言うとおり、特にこれだという決定打があるというより、地道に積み上げてきた結果だと思います。メール配信という特性上、安定性だけでなくメールの到達性などを担保する必要もあります。そのように、プロダクトの品質を上げるために愚直に続けてきた施策が功を奏したのかなと。
T.M そういった意味でも、SRE部は「どうしてうまくいかないのか」「どうしてその施策が良いと思うのか」といった、一つひとつの“なぜ?”を徹底的に究明する文化があります。またお客様の「なぜこうなのか?」「どうしたらいい?」にも最大限向き合い、少しでも快適に『Mail Publisher』をご利用いただけるようサポートしています。

「これだ」と思えるキャリア像を見つけ、叶えられる場所
――SRE部では、若手のうちから技術面・キャリア面で成長できるイメージが湧きますね!
T.I はい、エンジニアとしてのキャリアの選択肢を広げられると思います。一般的なSRE部隊と比べてインフラに関わる機会も多く、オンプレもクラウドにも触れ、システム構築を全体的に経験できます。また大規模な改修を含め、多数のプロジェクトが実施されており、手を挙げればPMも任せてもらえます。あらゆる領域や工程を担える面白さも味わえますし、その上で「自分はどの道を極めたいのか」も模索できるのではないでしょうか。
――お二人も、仕事への姿勢やキャリア思考は変化したのでしょうか?
T.I 私はもともと純粋に「技術を突き詰めたい」と考えていましたが、当社で一通りの領域を経験できたことで、視野が広がりました。技術を磨くだけでなく、「プロダクトとしてどのような姿を目指すべきか」という経営視点を持てるようになったのは特に大きな成長です。
T.M 私は20代の頃から目標にしていた、マネジメント層へのキャリアアップを果たせました。マネジメント未経験で当社へ飛び込み、現在はSRE部にとどまらずマーケティング総合支援サービス部の部長も務め、そして執行役員にも就任しました。
――最後に、どのような方であればSRE部で活躍できそうですか?
T.I 技術力も大切ですが、それよりも課題をきちんと自分ごととして捉える姿勢が重要だと思います。またその中で、課題解決や自分の成長のために積極的に前へ出られる人は活躍できるのではないでしょうか。
T.M 「こんなキャリアを歩みたい!」と野心を燃やしている人をぜひ応援したいですね。その夢に向かって 成長や変化を楽しめる人には、非常に良い環境だと思います。実際に私がそうでしたから。
