「思いを届ける」という使命のもと、メール配信業界を牽引するエンバーポイント

所属

製品開発部 開発運用グループ/H.T

略歴

大学の情報通信工学科にてデータベースやプログラミングを学ぶ。ITの仕事を志す中で、マーケティング業界にも着目し、メール配信システムをはじめとした「メッセージング」 ×「SaaS」を手がけるエンバーポイントへ2011年4月に入社。製品開発のほか、社内の「デリバラビリティ委員会」の委員長としても活躍。

「思いを届ける」というエンバーポイントの信念に共感して

――現在Tさんは、どのような仕事を担当していますか?

メール配信システム『Mail Publisher』とマーケティングオートメーションツール(MA)『Engage Cros』を担当し、新機能のリリースやメンテナンス作業を行っています。当社が扱うのは自社サービスですので、製品の開発・運用は社内でマイルストーンを組んでいます。お客様の声や社内の意見を企画に取り入れて1年間の開発スケジュールを決め、タイミングを見極めて計画的に進める仕組みができています。

――マーケティング業界やIT業界に焦点を当てて就職活動したTさん。エンバーポイントに入社した決め手は?

当社に惹かれたポイントは二つあります。まずはやはり、自社サービスを開発・提供している点。そして何より、メール配信システムなどを扱うメッセージング業界の中でも「思いを届けること」を大切にする姿に強く共感しました。

「思いを届けること」における私の原点は、中学生時代の経験にあります。生徒会長として文化祭を成功させたとき、生徒会顧問の先生に「この文化祭は、Tだから成功できたんだよ」と言われたんです。それが今でも忘れられないほどに嬉しくて。

先生のその言葉のおかげで、私は何かに挑戦するとき、自分を信じて行動できるようになったんです。誰かに思いを伝えるのは、誰かの思いを受け取るのは、これほどまでに人生を変えるんだ」と実感した出来事でした。

――人生を変えるほどの「思い」を届ける。エンバーポイントにも、そのフィロソフィーがあるのですね。

マーケティングに関する支援やシステムを手がける企業はたくさんあります。その中でも、「思いを届ける」という、本来の“メッセージング”の目的を忘れずに、誇りを持って事業を展開していると感じられたのがエンバーポイントでした。

業界が一丸となって、より良いメール配信の在り方を追求

――社内の「デリバラビリティ委員会」の委員長も務めるTさん。どのような組織なのでしょうか?

一言で表すと、「届けたい相手へ、いかに確実にメールを届けるか」という“到達性”を追求する組織です。

活動の目的は主に二つあります。一つ目は、社外で学んだナレッジを社内の製品開発に生かすことです。

我々のミッションは、お客様企業の「届けたい思い」を届ける支援をすることです。本来、メールを送る側には「届けたい思い」があるはずです。しかし送る内容や量、タイミングを見誤れば、受け手にとって負担になり、“マイナスな印象”まで届けてしまいかねません。そこで、企業の思いを確かに届けるためのナレッジや姿勢を醸成するのが、この「デリバラビリティ委員会」です。

――そのナレッジはどのように積み上げるのでしょうか?

当社は、社外のJPAAWG(Japan Anti-Abuse Working Group)や迷惑メール対策推進協議会などの組織に属しています。

JPAAWGをはじめとするこれらの団体は、人々が安心してメールを受信できるように、日本のメッセージインフラを支える重要な存在です。メールはいまや世界基準の技術で、いつでも誰でも簡単にメッセージを送ることができます。その分、なりすましメールやフィッシング詐欺を含んだサイバー攻撃が、社会で深刻な問題となっています。当然、ユーザーをあらゆる脅威から守れるようにセキュリティ技術も日々進化しています。そうした技術を含め、送信側と受信側の企業がきちんと対応できるように啓発しているのがJPAAWGです。

――例えばJPAAWGには、どのような企業が参画しているのですか?

我々のようなマーケティングシステムを扱うセンダー(送信側)から、メールサービスを提供する企業、通信キャリア・プロバイダー、セキュリティベンダー、そして官公庁まで、メールに関わるさまざまな立場の企業の関係者が参画しています。つまりJPAAWGのカンファレンスなどに赴けば、送信側だけの知識だけでなく、受信側の見解などもキャッチできるんです。

もちろん中には当社の競合となる企業もいますが、ここは競う場ではなく、情報や考えを交換する場です。業界で一丸となって「メール配信をより良いものにしよう」と奮闘していま。当社はもう何年も参加していることもあり、顔見知りになった関係者も多いですね。

社内のデリバラビリティ委員会はこういった場で情報交換し、昨今のメール配信市場の変化や課題をキャッチします。そして社内に持ち帰って他のメンバーへ共有し、さらに社会へ貢献できるような『Mail Publisher』の開発に役立てるのです。

――JPAAWGでの情報交換が、社内に大きく影響したことはありますか?

たくさんありますが、非常に大きなインパクトを感じたのは、やはりGmailの「メール送信者のガイドライン」に関する機能アップデートのプロジェクトでしょうか。Googleは2023年秋に、Gmail宛のメール送信における新たなセキュリティ要件の導入と、配信者向けガイドラインの強化を発表しました。こちらを受け、『Mail Publisher』をはじめとしたメール配信システムの機能をアップデートしたんです。

このプロジェクトが加速したのは、JPAAWGにて「このGmailの動きに対して、業界ではどんな対応が必要か」を話し合って以降です。実はこちら、私がJPAAWGの会長に働きかけて実現したミーティングでした。「このプロジェクトには、『Mail Publisher』やお客様企業に重大な影響がある」と強く感じたからです。そして、このミーティングで温めた対策案を『Mail Publisher』に落とし込んでいきました。社内でも部署横断型で協力し合って進めた大規模なプロジェクトでしたが、メール配信業界がワンチームとなった出来事でもあったのではないでしょうか。

――そんな舞台裏があったんですね。では、デリバラビリティ委員会のもう一つの活動目的は?

メール大量配信システム市場で16年連続トップシェア(※)を獲得するセンダーとして、メール配信業界へ知見を共有することです。

カンファレンスでは情報交換だけでなく、僭越ながら、私が登壇させていただく機会もあります。先日もJPAAWG 8th General Meetingで、「なぜあなたのメールは届かないのか?メール配信の課題と解決策」と題して登壇しました。メールサーバー運用者やマーケティング担当者に向けたもので、現在同じような課題にぶつかる企業にはもちろん、今後マーケティングでメール活用を考えている企業にも、参考になる情報をご提供できたのかなと思います。

[詳しくはこちら]製品開発部メンバー セミナー講師登壇のお知らせ

――エンバーポイントが、センダーの代表として登壇することもあるのですね!

はい。『Mail Publisher』では、月間85億通を超えるメールが配信されています(2025年11月現在)。この圧倒的なデータ量はもちろん、お客様や当社のメンバーから集まった声や課題も、センダー側ならではの財産です。機密事項や企業秘密でないものはできる限りお話し、業界へ貢献できたらと考えています。

「大きな社会的意義を持つ仕事に関わっている」という誇り

――デリバラビリティ委員会での活動を通じて、成長できたと思うことはありますか?

やはり、メッセージングサービス市場の全体像をより深く捉えられるようになったことは大きな成長だと感じます。

デリバラビリティ委員会に入って間もない頃、あるカンファレンスで大手IT企業の関係者が、メッセージングサービス市場について詳しく教えてくださる機会がありました。そこで、この市場はどのような仕組みなのか、どのような課題があるのか、そして何より、社会にどれだけ大きな影響を生み出しているのかがよく分かったんです。それまでは一人の製品開発者の視点で仕事していましたが、より広い視野を持つことができました。また、「こんなにも社会的意義の大きな仕事に、自分は関わっているんだ」と誇りを持てるようになりましたね。

――メッセージングサービスというと、少しニッチな業界という印象を持つ方もいるかと思いますが、エンジニアの成長についてはどうお感じですか?

「ニッチな業界のエンジニアは、将来のキャリアが狭まってしまうのでは……?」と心配する方もいるかもしれませんが、その点は安心してほしいと思います。

というのも自社サービスを手がける当社では、ワンストップの開発でさまざまなフェーズに携われるため、SaaS開発で求められる幅広い知識が身につきます。その結果、エンジニアとしての汎用的な技術が磨けるのです。また入社間もない頃から重要な仕事を任せてもらえるので、若手の成長スピードも早く感じますね。

私の場合は、入社3ヶ月で、社内で閲覧する製品開発部の情報サイトに携わり、要件定義から開発、ローンチまで担当しました。その後、当社の看板サービスである『Mail Publisher』の機能追加やテストなどを任せてもらえるようになりました。とても早いテンポで開発メンバーに入れてもらえて驚いたことを覚えています。

――最後に、Tさんのキャリアビジョンを教えてください!

今後も「思いを届ける」をひたむきに実現していきたいです。『Mail Publisher』をはじめとした当社製品で、届けたい思いを届けるべき人に伝えられる、そんな世界を作りたいですね。そのためにも、より効果的な機能をたゆまず開発していくつもりです。

当社には、『絆の力で幸せへ』というビジョンがあります。「絆の力」という言葉についてはさまざまな解釈ができますが、「届けたい思いを確かに届ける」というメッセージングの在り方も、「絆の力」につながっていくのではないでしょうか。こうして「絆の力」を育めるようなサービスを、今後も変わらず追求していきます。

※ デロイト トーマツ ミック経済研究所調査:CRM・BIパッケージソフトの市場展望2008~2010年度、CRM実現のためのITソリューションマーケットの現状と展望2011~2014年度、クラウドサービス(SaaS・ASP)市場の現状と展望2015年度、クラウド型CRM市場の現状と展望2016、2017年度版、クラウド型CRM市場の現状と展望2018年度版<2018年12月14日発刊>、マーテック市場の現状と展望2020 クラウド型CRM市場編<2020年2月10日発刊>、マーテック市場の現状と展望2021年度クラウド型CRM市場編 <2021年5月25日発刊>、マーテック市場の現状と展望2022年度版クラウド型CRM市場編(第6版)<2022年9月9日発刊>、マーテック市場の現状と展望2023年度版クラウド型CRM市場編(第7版)<2023年12月11日発刊>(https://mic-r.co.jp/mr/02970/)、マーテック市場の現状と展望 2024年度版 クラウド型CRM市場編(第8版)<2024年12月12日発刊>(https://mic-r.co.jp/mr/03290/)
 
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